リーダーシップよりもフォロワーシップよりも大事なもの



『リーダーシップからフォロワーシップへ』中竹竜二


 僕はこの本を読みながら不思議な感覚に捕われたんだ。もともとさ、僕はこの本を「リーダー」としての立場で読もうと思ったんだよね。リーダーとして、良きフォロワーを育成しようってな具合でね。カッコよく言わせてもらうとだけどね。まあ、普通そうだよね。フォロワーというか部下の立場として何かを学びとろうなんて、そんな部下としてのプライドを持ち、かつ部下としての志の高い人間なんていないだろうからね。


 まあとにかくさ、読んでるうちに気づいたんだけど、結局社長とペーペー以外の人間ってのは、つまりはほとんどの社会人さんはリーダーであり、かつフォロワーなんだよね。例えば課長ってポストがあっても、部長のフォロワーってな具合にね。だからさ、いくらリーダーとしての資質や風格を身につけたとしても、フォロワーとしての誠実さに欠けていたら、たいした評価はされないわけさ。残念なことに。だから、いくら素晴らしきリーダー気取ったところで片手落ちなんだよね、そんなの。


 でね、この中竹先生の御本には、その辺のことがとても緻密に、丁寧に触れられてるんだよね。つまり、リーダーとしてのあり方と、同時にフォロワーとしてどうあるべきかってことがね。うん、こういう俯瞰力のある意見ってものには、僕はこれ以上ないリスペクトの念を感ずるね。で、最後の締め括りもかっこいんだよ。組織においては誰もがリーダーでありフォロワーでもあるということを踏まえて、何が本当にたいせつなのかご指摘してくれてるんだよ。

 そして、ふと感じる。
 もう既に、私の心はメンバーシップの境地に達している、と。
 誰がリーダーで、誰がフォロワーという枠を超え、この素敵な仲間たちと一丸となって、華麗で強力なメンバーシップを発揮していくのだ。
 そう強く、思っている。


 うん、大事なのはメンバーシップだよ。この先の時代はね。


 こうしてみると、関東大学ラグビー対抗戦の中竹先生のコメントがより深いものだったと身に染みるよ。だからこそ、正月に中竹先生の勇姿を見ることができないってのが、残念でならないね。まじ。

◆FW戦で散る…早大3連覇消える/大学選手権SANSPO.COM (2009.12/27)


 第46回大学選手権2回戦(帝京大31−20早大、27日、秩父宮ラグビー場)選手たちが塊になって押すモール攻撃は止めるのが難しく、倒すと反則になる。帝京大の重量FWに押されないようにするのが早大のプランだったが、後半はモール攻撃から3本のトライを奪われた。試合巧者の早大は計画通りに試合を進められず、3連覇が消えた。
(後略)