本と図書館との接し方を考える


 こないだ、図書館から「予約資料がご用意できました」みたいなメールが来てたんだ。何かと思ってよく見てみると、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』、通称『もしドラ』の予約の順番がまわってきたって案内だったんだよ。こんな本を予約してたことなんて、すっかり忘れてたけど、もちろん読んでみたい本だから、図書館に行って借りてきたね。てかさ、この本を予約したのは8月なんだ。猛暑のピーク時だよ。今は大雪の真っ只中だけどね。つまりさ、はるばる半年近くも時間がかかったことになるんだけど、そもそも忘れてるくらいだから、「待たされた」感覚はまったくないわけさ。棚からなんとかって気分だよ。もとより、年末に事あるごとに2010年で一番売れた本として取り上げられるたびに、買おうとしてたくらいだから、うっかり買わなくて良かったよ、ホントに。


 まあ、そんなことよりさ、僕が今回思ったことはね、本はわざわざ買わなくとも、借りればいいんじゃないのかな、ということだよ。まあ、別段新鮮味のある発見じゃないけどね。だってさ、最近もいくつかも書籍を買ったけど、当たりもあればハズレもあるし、ともあれ、どいうった印象であろうと再読してる本って少ないんだよね。だから、よっぽど好きな作家とか作品でない限り、本を所有する必然性ってないんじゃないか、って感じたわけさ。それに借りた方が経済的だしね。まあ、まとめるとこんな感じだよ。


要点はスキャンしておけば充分

 最近の話だけど、本を読んでいて「おっ」と思った部分は、写真を撮ってevernoteに保存してるんだ。だから、読書における記録ってことに関しては、ほぼほぼスキャン&evernoteで充分なんだ。違うかな。原本がなくとも、事足りるんだよね。

再読する本って意外と少数

 専門書ではなく、小説のような「流れ」を楽しみたい書籍もあるけど、再読するために、頻繁に本棚に手を伸ばすことってあんまないんだよね。こないだ、思い立って安部公房の『人間そっくり』と『砂の女』を再読したけど、まあそれにしたって、図書館に行けば、さっと予約を待たずに借りることができるだろうからね。自分の手元に置いておくメリットってのがあまりないように思ったんだ。

保管場所は有限

 僕が本を所有するにあたって、一番頭を悩ませているのがコレだね。本棚に並べていったってキリがないってこと。まあ、実際問題は、コレクションとしての自己満足みたいな部分はあるけどね。本棚にずらっと本が並んでいると、「ああ、俺はたくさん本を読んだな」とか「この作家の書籍は1から10まで並べておいてフリークぶりを顕示しときたい」とかね。でもそういうのも、否定はしないけど、疑問に思うようになってきたんだ。

経済面を考慮

 軽く計算してみたら、2010年は僕は本・雑誌に30,000円くらい使ってるんだよね。これが多いか少ないかは別として、このうちのいくらかを軽減できるなら、それに越したことはないなと。あと、図書館は税金の一部で運営されているわけだから、利用しない手はないってことだね。

無駄な努力を回避

 本を買って読んでみたけど、おもしろくない、ってことはよくよくあることだよね。でも僕は貧乏性だから、おもしろくなくても、それなりに読み進めるわけさ。せっかく買ったわけだからね。でもね、一旦物語から興味がそれてしまうと、一転、途中からエキサイティングしてくることなんて、まあまずないんだよ。それがわかっていても、途中でリタイアする勇気ってもんがないんだよね。でも、借りてきた本であれば、そこまで懸命に「読まねば」という拘束力もないから、次へ次へと興味がある本を発掘しやすいだろうって思うんだ。こういう読み進め方も悪くないと思うね。

期限による集中力向上

 当然のことながら、返却期限があるわけなので、集中して読み進めるという副産物もあるんだよね。別に時間が空いたときに読めばいいやなんて、ダラダラしないから、一気に読み進められるわけさ。


 まあとにかくさ、僕はある所有物が一定以上溜まってくると、処分したくなる性分なんだよ。いつだったか、CDが溜まってきて「音源は全部MDに録音して、CDは売ろう。これって今風!」ってことで、大々的に持ってるCDを売り払ったって前科があるんだよね。で、当然今となってはMDなんて化石の一部みたいになってるから、そのとき1枚100円くらい売ったアルバムの収録曲を、iTunesで見つけては1曲200円くらいで買ってるという、時空を超えた無駄使いをしてるんだけどね。


 まあ今すぐ持ってる本・雑誌を売ろうとは思わないけど、もっと積極的に図書館を利用して、手元に物を溜めないというのは、実践していこうと思うよ。自分が「ふむ」と思ったページに、強く見開いた形跡なんかがあると、やっぱり誰かも、このページに共鳴したんだなとか、そういった他人模様が垣間見れる部分なんかも、逆に新鮮なんだ。悪くないよ、図書館の本ってのも。