『任天堂“驚き”を生む方程式』感想の続き


 任天堂に関してもう一言。


 僕なんかはモロにファミコン世代にあたるわけで、「任天堂」と聞くと、ものすごく懐かしい気分になるんだよ。僕がファミコンを購入したのは、友達の中では早い方だったし、カセットもある程度豊富に持っていたこともあってか、毎日学校が終わると、たくさんの友達が僕の家に来て、「ファミコンの部屋」に直行して、いろんなゲームを順番こにやってたわけさ。ファミコンのソフトがあるところに人が集まってくる図式だったんだよ。また学校では禁止されてたけど、カセットの貸し借りとかやって、秘密裏に新しいゲームを楽しめる興奮とか今でも覚えてるね。つまりさ、ファミコンってのは友達関係を築く上で重要なポジションにあったわけさ、当時は。


 となるとだね、このファミリー・コンピューターってのは、実質「フレンド・コンピューター」って言った方がしっくりくるんじゃないのかなとも思うんだ。「家族」よりも「友達」を結びつけるゲーム機だったよなってね。だって、兄弟ならいざ知らず、お父さんやお母さんとファミコンやった記憶なんてないだろ。どこがファミリーだよって思うよ。いくら「スーパー」が付いても同じことだったよね。


 でね、それから何十年も経て、Wiiの登場で、やっと「ファミリー・コンピューター」って言っても良いハードに追いついたなって感があるよね。CMなんかでも、一家揃って、じいちゃんばあちゃんまでもがWiiスポーツやってる模様が放送されてたりね。任天堂としても、家族、とりわけ「お母さん」に認められるゲーム機にするというビジョンがあったらしいからね。



 任天堂だけじゃないと思うけど、ゲーム機の移り変わりは、こういう「繋がり」の歴史も垣間見えるわけさ。


 でね、じゃ次はどういう繋がりができるのかな、と思ったんだよ。ファミコンは友達同士を繋げ、Wiiで家族が繋がった。となると、お次は……、会社の同僚が繋がるゲーム機なのかなとか思ったけど、これはあんまり現実的じゃないな。ちゅーか、ビジネスが繋がるゲーム機ってのなら可能性はあるかもね。今、パワポでやってる一方通行のプレゼンの代わりに全部次世代のゲーム機が用いられるんだよ。で、「では、実際シミュレーションしてみましょう」とか言って、取り引き先の偉いさんに操作してもらって、「あ、結果が出ました。プランBで行きましょう」とか。B2Cであるゲーム市場がB2Bにも進出、なんてゲーム文化生まれるかもね。


 ゲームを通して、僕と誰を繋げてくれるのか。これがゲーム業界に対する大きな期待だね。


【送料無料】任天堂“驚き”を生む方程式

【送料無料】任天堂“驚き”を生む方程式
価格:1,785円(税込、送料別)