長谷部誠著『心を整える。』感想続き

■お酒の力を利用しない。>『心を整える。


 ビジネスマンの方には甘いと言われそうだけれど、お酒の席では仕事のことを完全に忘れたいというのが僕の考え方だ。お酒は楽しむもので仕事の愚痴を言うためのガソリンじゃない。心のスイッチをオフにして、リラックスしたいのだ。
(中略)
 よくお酒が入ると相手の本音が聞き出せるとも言うけれど、そういう考えも好きじゃない。お酒の力を借りないと本音を言い合えないという関係がそもそも嫌だし、そんな状態で出てきた本音に価値を見出せない。
(後略)


 この考え方には、はっとさせられたね。はっと。というのもね、僕はこれまで随分お酒の力を借りて、いろんな人との距離を縮めてきたんだよ。バンドの連中であったり、野球の仲間だったり、職場の同僚だったりって具合にね。僕が東京で築いた交友関係ってのは、お酒なしでは成し得なかったものだと断言してもいいね。で、もちろん、ただワイワイするためのツールということもあるけど、確かに本音を言い合うためにお酒の力を借りていたという要素の方が大きいね。溜まっている膿を出したり、人間関係の歪みを調整するために、欠かせないアイテムだったんだよ。アルコールってものがね。


 この長谷部のストイックな酒哲学ってものを目の当たりにすると、自分がちっぽけに思えたんだよ。ああ、酒を飲む度に愚痴を垂れてたな、此れ見よがしにマジ・トーク入れてたなってね。ただね、これまでの自分の考え方やお酒に対する接し方ってのは否定はしないけど、一つ思ったんだよ。今後、年齢を重ねていけばいくほど、酒の席で語り出すってのは、とてもみっともないような気がするなってことだね。それが部下であればもちろんだし、友達に対してもニーズのない自慢話なんてのは避けたいところだよね。大人の飲み方ってのは、若い頃なんかよりずっとリラックスする必要があるってことだよ。


 僕はビールが好きで、どうせ飲むならずっとビールを飲んでいたいタチなんだけど、こういう飲み方も変える必要があるなって思ってたところだし、お酒との付き合い方も考え直そうって反省したね。うん、君もそうした方がいいよ。いい年こいて、酒だビールだと言いながら、誰かの悪口言って酔っ払ってても良かったのは、二十歳になりたての大学生か昭和のおっさんだけだからね。


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