第93回全国高校野球選手権記念大会感想


 ちょうど10年前なんだけど、2001年の夏の甲子園日大三高が優勝したことをよく覚えてるんだよね。それは、「日大三高の野球って豪快さばかり目立って好きじゃない」って負の印象で記憶されてるんだ。「ああ、こんな大味な野球するトコが優勝しちゃった」ってね。僕は当時、バント、バントでコツコツやるスモール・ベースボールが好きで、パワプロですらバントを多用してたくらいなんだよね。とにかくなんかチマチマするのが好きだったんだよ。


 でもね、今の僕は、野球とかスポーツに限らず、とにかく「攻撃的」な一面に魅力を感じるようになっているんだよね。今大会もベスト8からは日大三高作新学院を応援してたんだ。それこそ「10対0で勝つ」ようなチームに惹かれてたんだよ。もちろん守備のときに魅せる「攻撃性」ってのもアリだね。「攻撃的な守備」ってのもよく聞く言葉だろ。キーワードは、「アブレッシブ」なんだよ。とにかくさ、「年齢をとると守りに入る」ってのは、まあごく普通の変化なんだろうけど、僕はむしろ2001年に比べると俄然攻撃性を帯びてきてるんだよね。まだまだ攻めにまわりたいんだ。多分、若い頃の借りもあってか、攻め足りてないんだろうね。


 つまりさ、今年の甲子園を観ていて、攻める姿勢、攻める魅力ってものを再認識できたんだよね。「攻める」。とてもカッコイイ言葉だと思うな。


 あと、最後になんとなくノート。金沢高校石田主将の選手宣誓。

宣誓。


春から夏にかけ、
どれだけ時がたっても、
忘れることがないさまざまなことが起きました。


それでも失うばかりではありません。


日本中のみんなが仲間です。


支え合い、
助け合い、
頑張ろう。


私たちは精いっぱいの笑顔で、
全国の高校球児の思いを白球に込め、
この甲子園から消えることのない、
深い絆と、
勇気を、
日本中の仲間に届けられるよう全力でプレーすることを、
誓います。


石川県代表金沢高校 石田翔太主将による選手宣誓――第93回全国高校野球