『もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら』感想


 本のタイトルからなんとなく想像できると思うけど、ドラえもんひみつ道具が本当に世の中にリリースされたら、日本と世界の経済はどうなるか、ってことを真面目に妄想しているんだよね。もうこの切り口がまずユニークだよね。


 マンガの世界のアイテムなんで、事実あり得ない話なんだけど、タケコプターアンキパンほん訳コンニャクどこでもドアなどが実現した場合の社会的功罪を具体的な企業名を出して語ってるんだ。例えば、タケコプターが実現したら、事故に備えて損害保険業界が潤う、日本生命が上場する。逆にバイクメーカーは衰退し、ホンダやヤマハ発動機タケコプター事業への参入を余儀なくされるとかね。風が吹けば桶屋が儲かる的な具合に「こういう可能性が有りうる」って、どんどんどんどん発想を膨らませていってるんだよね。こういうのって楽しいよね。楽しいってか、見事なブレストを見させてもらってるって感じなんだ。


 でね、それに加えて、ちょくちょく経済とか金融に関する豆知識も散りばめられているんだよね。元々著者はファンドマネージャーだってこともあるから、むしろそっちの方が本職なわけで、とてもためになるんだよ。これはね、ドラえもんに詳しくない人でも、ぜひ読んでみることをおすすめするね。