ラグビー・ワールドカップ開催前に思うこと


 9日からラグビーのワールドカップがはじまるんだってさ。ところでさ、君はこのラグビー・ワールドカップってものにどれだけ興味があるかな。例えば、女子のサッカー五輪予選、それからインターバルはあるけど男子サッカーのW杯3次予選、もう終わってしまったけど世界陸上、これらと比べるとラグビーへの関心ってどの辺に位置するか一回考えてみてくれよ。


 ちなみに僕はラグビーは好きで、このワールドカップも楽しみにしてるんだけど、世間的には女子サッカーに関心が集まるんだろうね。んで、そういう僕だって、やっぱりラグビー日本代表が勝たなかったら注目もしなくなると思うんだ。「ああ、やっぱ日本がラグビーで勝てるわけないや。だったらなでしこ観よ」ってね。そう考えるとさ、「やっぱりサッカーなのかよ」ってなんかつまんない気分になるんだよね。つまんないってのは、自分の興味関心の狭さに「つまんない」ってことだよ。



 テレビで言ってたけど1995年が大きなターニング・ポイントだったんだって。95年、野球では野茂がメジャー・リーグで鮮烈なデビューを果たし、翌96年サッカーでは中田らがアトランタ五輪マイアミの奇跡と呼ばれるブラジルからの大金星を挙げたと。で、これらと同時期の95年、ラグビー・ワールドカップで日本代表が、ニュージーランド相手に145失点の歴史的大惨敗し、ラグビー人気が一気に衰えていったんだってさ。確かにね、これくらい時期から、日本スポーツ界が「世界」ってものを意識するようになったような気がするんだよね。つまり海外で日本人が活躍すると、競技としての人気、注目を得ることができるって具合にね。というかむしろ、日本でちやほやされてても、世界を相手に無様な試合しかできないようじゃ、以後さっぱり誰も応援してくれなくなるって図式が顕著になっていったんだよ。野茂や中田の影響ってこんなとこにまであるんだな。


 だからさ、スラムダンクで一世を風靡したバスケが日本のスポーツとしてはぱっとしない理由は、世界を相手にできないからだと思うな。よほどのバスケ好きでない限り、田臥以降の日本バスケを語れる人っていないと思うね。


 そう考えるとさ、世界を相手にして、そこそこ熱を入れて応援できるスポーツってのは、今の日本じゃ、やっぱり野球かサッカーなんだろうね。ラグビーやバレーなんかが、いまいち人気が出ないって理由は、結局のところ日本代表が「対世界」においてパッとしないってことでもあるんだよ。残酷な言い方かもしれないけどね。もちろん、団体競技だけでなくゴルフとか、球技だけでなく柔道や体操やフィギアスケートやウインタースポーツなんかでも、注目されるのは世界相手に奮闘してるか否かなんだよね。だからね、国技である相撲も、世界を視野に入れて競技の幅を広げないと、この先明るくないんじゃないかなと思っちゃうよ。


 まあ、とにかくさ、ラグビーも学生スポーツとしては、それなりの人気と規模を持ってるわけだから、もっともっと注目されるべきだと思うよ。まあ、このワールドカップの結果次第で、この先の注目度がガラリと変わるんだろうけどさ。


◆ラグビーワールドカップ2011
◆日本ラグビーフットボール協会