映画「マネーボール」感想


 今さらだけど観てきたよ、「マネーボール」。ちなみにね、「マネーボール」ってのは、野球チームを編成する上での、ひとつの考え方、理論のことを言ってるんだよね。


 野球ってスポーツにおける野球選手の価値ってのは、ヒットをどれだけ打ったとか、ホームランをどれだけ打たっとか、どれだけ勝ち投手になったとかで決まってるんだよね。僕らだって、そういうプレーにエキサイトしてるからね。でもね、そういう「野球の華」の部分ではなく、地味であってもチームの勝利に貢献している部分を評価しようって理論なんだよ。つまりさ、ヒット1本打つのも、フォアボール1つ選ぶのも、結果としては同じなんだよね。ランナー1塁って。でも、ヒットを打った選手のほうが高い評価を受けるわけで、つまりは、球団的には優良な戦力ではあるが、高い給料を払わなければいけない選手でもあるわけさ。ましてやヒットなんて相手の守備位置や守備の巧さにも関わってくるし、ヒットとエラーの線引きも曖昧っちゃー曖昧だよね。そんな不確定要素であるヒットというものに多大なる価値があるんだよ、野球ってスポーツは。で、一方、ボール球を振らない(クサイ球はカットする)というのは、まったくをもってしての“個人”の能力であり、計算がしやすい。その上で、フォアボールを多く選ぶ選手というのは、安い給料で、「ランナー1塁」という貢献をしてくれるってわけなんだよね。こういった、評価されてない数字に価値を見出し、安い資金で勝利を勝ち取ろうってのが「マネーボール」の理論なわけさ。こういうアウトローかつ理論的なな考え方って大好きなんだよね。


 理論の紹介としての原作本から、なかなかうまいこと映画に仕上げたなと思えたし、これはいい出来栄えだと思ったね。ブラッド・ピットもいい味だしてたしね。


 ちなみね、僕の個人的な意見では、個人の能力でどれだけ勝利に貢献してるかを判断できる数字というは「得点」だと思ってるんだ。ホームベースを踏んだ回数だよ。フォアボールだろうが、相手のエラーだろうが、長打だろうが、とにかくなんらかの形で出塁して、走ってホームベースを踏むことができる能力ってのが、野球をする上で一番重要だと思うんだ。でも、「得点」ってあんまり評価対象じゃないよね。安打や本塁打や盗塁の方が目立ってる。だから、僕が「マネーボール」でチームをつくるとなると、「得点」の多い選手をがっと集めたいね。まあ、「得点」の多い選手ってのは、安打や本塁打や盗塁も多いんだけどね。


◆セ・リーグ打者成績 - 得点Yahoo!スポーツ
◆パ・リーグ打者成績 - 得点Yahoo!スポーツ


◆マネーボール - オフィシャルサイト