高校時代のアルバイトの話


 たまたま運転中に聞いていたラジオで「高校生のアルバイト」みたいなテーマの話をしていたんだよね。まあ、日曜の福山雅治のラジオなんだけどね。で、僕が聞いたのは、もう番組の最後の最後で、福山氏が、「一般的には高校でのアルバイトは禁止されている所が多いけど、アルバイトをすることで大人と接する機会ってのができて良いと思う」みたいなまとめを述べていたんだ。


 でね、そこでふと思いだしたことがあるんだ。


 バイト先で「お前もう帰れよ!」って店長に怒られたので帰えろうとしたら「本当に帰るんじゃねーよ」とまた怒られた、じゃあどうすればいいのか、みたいな相談とか投稿をたまに目にするんだけど、そういうのを目にする度僕は、ゆとりはさすがだなとか思ってたんだよね。いやいや、言われた言葉をそのまま受け取ってどうすると。また、実際僕がバイトしてたときも、後輩が店長から「帰れよ」と言われて、本当に帰ったって話を聞いて、お前バカだなホントに帰ってどうすんだよ、と偉そうに説教垂れてた記憶もあるんだ。もともとチャラチャラした奴だったけど、ここまでチャラかったのかと思いながらね。



 でもね、先の福山のラジオを聞いて、高校のバイトって自分は何やってたかなと思い返してたらね、そういえば僕自身も、高校のときのバイトで「お前もう帰れよ!」と怒鳴られて、あ、ハイと、そそくさと帰ったことがあったんだよね。で、それきっりそのバイトには行かったんだ。すっかり忘れてたことだけど、自分も帰れと言われて帰ってたゆとりだったってことだよ。


 つまりさ、やはり福山氏の言う「大人と接する機会」ってのはすこぶる大事だってことだよ。というのもね、高校生までに出逢う大人って生き物は、親であったり親戚であったり、友だちの両親や近所のおっさんや学校の先生など、うるさかったり嫌いだったりしても、少なくとも「味方」に属する人間なんだよね。困ったときは「味方」になってくれる人が多いんだよ。でもさ、バイト先の店長とか、まあその他世間一般の大人なんて、敵ではないにしても「他人」に近いような存在で、そいつらから放たれる言葉やぶっきらぼうな指示に対しての反応や対応ってものに戸惑うのが普通だと思うんだよ。特別社交的な子どもでない限りはね。


 そういった「他人」よりの大人との接し方もしくは、社会一般に対するマナーみたいなものは、いつか、どこかの時点で学ばなければいけない。だったらできるだけ早いほうが良いんじゃないかと考えれば、まあ高校生のバイトってのも絶対悪ではないかなと思うね。もちろんさ、お金が絡んでくることだし、部活をまじめにやっててバイトする時間が取れない生徒との折り合いなんてのを考慮すると、「バイト公認」ってのは難しいのかもしれないけどね。


 でもさ、高校生のうちからバイトして恥じかいたり怒られたり、苦労したり、そして褒められたりすることは必要だろうね。まあ、僕が事業主だとしたら絶対に雇いたくないけどね、そういう世間知らずで自分勝手な高校生なんてね。