順番は早いの希望か遅いの希望か


 昔読んだ、岐阜出身で大の中日ファンである奥田英朗氏のあるエッセイのことを思い出したんだよ。そこに書かれていたのは、出席番号の早い人、つまり苗字が「あ行」の人は、なんでも早めに役回りがまわってくる方が性に合っているということだよ。つまりさ、出席番号が早いと、新しいクラスでの自己紹介とか注射の順番とか100メートル走のタイムを計るのとか、「じゃ出席番号順で」という理由で、否応なく最初の方にやらされることが多いと。確かにそうだよね。準備する間もなく、順番がまわってくるってやつだよ。てなことから、荒木、井端の打順が1、2番であることは適正だとか言ってたな。



 まあ、野球のことはともかくね、この出席順の理論ってのは僕も大いに納得できるんだよね。僕も「お」であることから、出席番号は5番以内であることが多かったためか、「はい、じゃとりあえず自己紹介しろや」と言われて、すぐに自分に順番がまわってくる方がありがたいと考えるようになっているんだよね。というか、逆に順番が後半だと、他の人があれこれ言うのを聞いて、ああじゃあ俺はどういう風に言おうかとか、ああ今考えてるのと同じようなこと言われたとか、そうやってうじうじする時間の方がストレスに感じちゃうんだよね。もちろん、今でもそういう傾向はあるな。なんでも順番でまわってくるなら、早めに終わらしちまいたいってタチなんだよ。君はどうかな、心当たりはあるかな。逆に苗字が「や行」や「わ」の人は順番が後の方が何かとやりやすいんじゃないかな。まあ、「な行」や「は行」の人は、そんなんわかんねーよ、どっちでもいいって理屈になるけどね。