赤坂英一著『プロ野球二軍監督』感想


 これは野球に限らず、ごくごく普通の社会人でも一緒だろうけど、活躍できない人ってのは真面目じゃない人なんだなと感じたよ。どれだけセンスや才能があっても、それだけでは大人の世界ではやってけないんだよね。高校や大学ってレベルではそういう持って生まれたモノでも充分通用するだろうけど、それ以上のカテゴリーでは持続した活躍ができないんだよね。二軍という現場に携わる人の話を聞いていると、重々感じるよ。だからね、プロ野球って職業だって、そう特別じゃないなと思ったよ。努力した人は活躍できるし、そうでない人は早く引退していくってね。とてもシンプルさ。まあもし僕らのようなサラリーマンと違いがあるとすれば、僕らはたいして努力をしなくなって、それなりにこなしてさえいれば引退や解雇なんてないことくらいだね。なんとなくでも続けられるって。


 まあともかくね、二軍にだってチャンスとタイミングに恵まれないってだけという原石はいるわけさ。僕は陽の当たらない場所で必死に歯を食いしばってる人間ってカッコいいと思うんだよね。応援したくなるんだよ。だからね、スター選手が次々にMLBに出てってくれるのは、僕は大歓迎なんだよね。で、ファームいる根性の固まりみたいな野郎が、どんどん這い上がってきてほしいんだよ。そうやって選手が循環しないことには野球というスポーツ界だって活性化しないだろ。いつまで経っても似た様な選手がタイトル獲って目立ってるっておもしろくないよ、マジ。どんどん入れ替わらないと。今のスター選手が海外に行っただけで、日本はダメになるわけがない。心配しなくたって、次のスター選手が生まれるわけだしね。そもそも、次のスター選手が生まれなかったらどんなスポーツだって廃れていくよ。そこを危惧してほしいね。


 だからね、二軍監督ってポジションは、とんでもない重責をになってるかもね。次のスター選手を育成するって意味でね。


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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
芽の出ないドラフト1位もいれば、復活にかける元レギュラーもいる。毎年、誰かが去り、新しく入ってくる残酷な世界だ。そんなファームを舞台にした監督・選手たちを初めて描くノンフィクション群像劇。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 やられたらやり返せ/第2章 ショートのプライド/第3章 打撃投手兼二軍監督/第4章 デーブとおかわり/第5章 赤ゴジラ誕生/第6章 最近の若いやつらは/第7章 ノックは素手で受けろ/第8章 ひとりぼっちの二軍/第9章 ヒゲを剃ってこい/第10章 おまえはクビだ

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
赤坂英一(アカサカエイイチ)
1963年、広島県生まれ。86年、法政大学文学部卒業後、日刊現代に入社。88年より、スポーツ編集部でプロ野球取材を担当。同社勤務のかたわら、週刊誌、月刊誌でノンフィクションを執筆してきた。2006年に独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)