『今さら人に聞けないはじめての経営』感想


 ということで、もう一冊借りてきたんだ。こちらは、だいたい1〜2ページで1テーマとして、起業に関しての100以上の素朴な疑問に答えてある形式なんだよね。こちらもまあ金の流れを中心にまとめてあるんだよね。まあ少し細かい知識もついたかな。


 でね、思い出したのが、僕が昔働いてた事務所のことなんだ。そこは夫婦2人で立ち上げた有限会社で、その2人プラス僕を含めた3〜4人のアルバイトという会社だったんだよね。というか、「会社」なんて呼べるような立派なものではなく、ボロ・アパートの一室(途中から101号室と103号室の二部屋になったが)が仕事場だったんだよ。で、僕のデスクは、トイレの扉のすぐ前かつコピー機の真横かつ台所の手前そして玄関開けたらすぐ見えるようなポジションだったんだ。想像力豊かな人なら、わかると思うけど、トイレの前の席って、なかなか居心地悪いよ。で、猫が16匹くらいいた(最終的には6匹くらいに減ってたけど)。一応会社の事務所というようなことになってるんだけど、ほぼ毎日社長(これもまたややこしいのだが「社長」というのは旦那さんのニックネームで名義上は副社長、事実上の社長は奥さん)が寝泊まりしてるから、社長の部屋で仕事をしてるような感覚だったんだよね。あげく、この夫婦は物が片付けられない性格だったもんで、部屋がカオス的に散らかってて、そこに猫が16匹もいるもんだから、文字通り足の踏み場もないような空間だったわけさ。


 だからさ、どう考えても、あの人たちがこれらの本に書かれているような、経営のノウハウや小難しい税金の知識、経理のコツなんてのを知っていたとは思えないんだよね。本当にサイコロ振って、出た目の所でいっつもいっつも次の進むべき方向性を、いちいち修正してるような経営方針だったしさ。


 でもね、こんな状態でも会社ってのは特に不自由なく運営できてたんだよね。僕はそこに2年半ほどいたんだけど給料はちゃんと支払われていたよ。まあ時給制のバイトって身分だったけどね。まあつまりさ、起業なんてものは、そんなに難しく考えなくても案外簡単にできちゃうし、高望みさえしなければ細々とそれでやっていけるのかもね。そんな風にも思ったよ。ちなみに、その会社は今でも続いてるみたいだよ。少なくともホームページは存在してるよ。まあ、ホームページだけ削除すること忘れて、そのまま放ったらかしにしてるだけなのかもしれないけどね。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
はじめから「プロの経営者」という人はいない。起業であれば、ほとんどの人がこれまで雇われる側か学生や主婦からの転身だからアマチュアばかり。でも、ひとたび「社長」という肩書が付くと「なんでもできる人・知っている人」と思われがち。だから「えっ、そんなこともわからずに社長やってるの?」と言われそうな疑問をいっぱい抱えているのに、なかなか周りの人に相談できない。本書はそんな「アマチュア=しろうと社長」に、様々な起業・経営の知恵と裏技をコッソリ教える。

【目次】(「BOOK」データベースより)
社長心得編-社長業の素朴な疑問/創業編-創業する時の素朴な疑問/経理編-日常経理の素朴な疑問/資金繰り編-資金繰り・節税の素朴な疑問/社長の財布編-社長のやり繰りの素朴な疑問/営業編-日常営業の素朴な疑問/人材編-社員雇用の素朴な疑問/将来編-会社運命の素朴な疑問

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
池永章(イケナガアキラ)
1959年、広島県生まれ。税理士・経営コンサルタントNLPマスタープラクティショナー。池永経営会計事務所所長。1985年に池永会計事務所を開設して以来、現場に根ざした経営計画策定、キャッシュの残る財務戦略を実行し、成長企業のサポートに注力している。資金会計、マーケティング、マネジメントなどのセミナーも精力的に行う

小川幸信(オガワユキノブ)
1965年、広島県生まれ。社会保険労務士・人事労務コンサルタント。平成17年、池永経営会計事務所入社。人事・労務・賃金・年金等人事労務全般を手広く指導、コンサルティングを行う。社員採用・育成・モチベーションアップ等のセミナーを精力的に行う。年金手続に関しては2,000件以上の案件を処理する。また自らも営業マンとして6年連続優秀表彰を受賞したキャリアを持つなど、現場に即したアドバイスに定評がある。社員をやる気にさせる評価制度や組織作りを研究し、ソリューションフォーカスを活用した独自の評価制度を構築する。池永経営会計事務所の人事・経営コンサル部長として、お客様に寄り添うコンサルティングで信頼を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)