コントロールカードとは


 君みたいな質素な生活を送ってる人にはあんまり関係ないかもしれないけど、ブランド品を買うと、たいてい「コントロールカード」というカードが一緒についてくるんだ。でね、こいつがなかなかの曲者で、ただ単にね、そのブランドのブランド名と1から9そして0の数字が書かれているってだけのカード、しかも紙製のカードなんだよね。



 でね、これは僕も最初見たとき、こんなもんに何の意味があるのかさっぱりわかんなかったんだ。だって、どの商品にも一律同じカードがついてくるわけだからね。まあとにかくね、こいつはそのブランドの製造過程において、最後の最後に「検品しました」「検品済み」っちゅーことで、とりあえずちゃんと見たから入れとくよ、と付属されるカードなんだよ。だから別にたいした意味合いはなかったりもするんだよね。


 でね、ややこしい点が2つばかしあるんだ。まずは、コントロールカードに表記されている数字なんだけど、この無機質に並べられた数字と、商品の品番や型番とを混同してしまうケースがよくあるわけさ。もちろん商品を購入した人がだよ。例えば君が「114076-V0013-2106」という商品を買ってるのに、付属してきたカードには「1234567890」とか書かれてたら、「インチキだ!」と思っちゃうのも無理ないよね。でもね、これが仕様なんだよ、コントロールカードのね。


 で、もう1つはね、シャネルやプラダの多くのアイテムには、ギャランティーカードってのが付属してて、こいつはその名の通り「品質保証書」としてのプラスチック製のカードなわけさ。こいつには、商品の品番や型番、シリアル・ナンバー(製造番号)なんかが、ばっちし記載されてるんだよね。つまり、僕が言わんとしてることはわかるよね。このギャランティーカードとも混同されがちなんだ、コントロールカードはね。でもね、こう覚えておけばいいよ。ギャランティカードが付属してるのは、シャネルとプラダだけだよ。主要なブランドでは。それ以外のブランド品には、わざわざその商品のシリアル・ナンバーが記載された証明書なんて存在しないわけだよ。つまりヴィトンもグッチもエルメスも、ギャランティカードなんて付属してないんだよね。世界中のどんなお店で購入してもね。


 まあ僕が言いたいのはだね、ロレックスとかの高級時計は別だけど、思いのほか、ブランド品のバッグや財布なんかは、その製造を保証、証明する「印」のようなものは存在しないってことだよ。だから君もヘンチクリンな代物を買わされないように充分注意しときな。そんで、逆に言うと、ちょっとくらいカードや箱や付属品がどうこうっていうくらいでパニックになるのも避けた方が無難だね。そんなもので判断できっこないからね。